森美術館の「建築の日本展」

現在、森美術館で開催されている展覧会「建築の日本展」についてレポートします。

大好評で終了した「レアンドロ・エルリッヒ 見ることのリアル」の後に何をやるのだろうと期待していた方々も多いと思います。

今回は前回の展覧会とは打って変わって建築の展覧会です。

斬新な9つのセクション

このブログでも紹介した建築家岡啓輔さんが自力で建てている蟻鱒鳶ルもこの展覧会に取り上げられています。

このことからわかる通り、当然このブログでも広尾の教会国立新美術館の個展など幾度となく取り上げてきた建築界の巨匠安藤忠雄といった有名建築家の建物だけでなく、古くは古代出雲大社の本殿や、世界遺産の平等院の組物など。新規のものではティンバライズ200の計画中の物件など、新旧はもちろん規模の大小も超越した、あらゆる角度から捉えた建築の展覧会です。



9つに別れたセクションも施設の用途ごとでも年代ごとでもマテリアルごとでもなく、”可能性としての木造”、”安らかなる屋根”、”連なる空間”‥などなど。今までとは一味も二味も違ったカテゴリー分けがとても新鮮な展覧会構成です。

会場に入口最初にお目見えするのは北川原温のミラノ国際博覧会2015年日本館の木組インフィニティです。(ここは撮影可)

木のいい香りがこの展覧会の期待値を上げます。このセクションは勿論”可能性としての木造”です。

原寸大「待庵」

そして、この展覧会の目玉の1つは、原寸大の待庵です。

写真を見ていただければわかる通り、昼と夜と2回行ってきました。待庵の中は3人づつ入ることが可能です。

しかし、中には照明がありませんので、待庵の中をじっくり見たいと思ったら昼間の方がいいです。夜は暗くて中があまり見えませんでした。

待庵は外観の撮影は可能ですが、中の撮影は不可です。

特に並んでいる人がいなければ、3人づつという指示もありません。2回目に訪れた平日の夜はご自由にどうぞ、という感じでしたので、じっくり見たければ空いている時間帯を狙った方がいいです。

映像作品

さて、建築の日本展と言えども、実物大で体験できるのは待庵だけです。(実物大のマテリアルが部分的に出品されているものはありますが)

そこで、「パワー・オブ・スケール」というライゾマティックス・アーキテクチャーの映像作品を体験しましょう。

これは、最新技術のレーザーファイバーと映像を駆使し、日本建築の空間概念を大小さまざまなスケールで原寸再現し、そのダイナミズムを3Dで体感する体験型インスタレーションの新作です。

ちなみにこの作品は撮影可です。

四角形のスペースの左右の壁に投影されるので、対角の頂点付近で見るのがベストポジションです。


丹下健三自邸模型

また、もう1つの模型の目玉は丹下健三の自邸でしょう。残念ながら原寸大というわけには行かなかったようで、1/3スケールです。

こちらも撮影可能です。

この自邸に訪れたシャルロット・ペリアンなどの有名人の写真がスライド上映されているのでそれもあわせてみると良いでしょう。

そのスライドの中に、丹下健三の東大の教え子である磯崎新の結婚式の様子が出てきます。この丹下邸で結婚式をしたのです。しかし、写真に写っている有名人にはみんな名前が書かれているのですが、新郎には「磯崎新」となっているものの、新婦に名前はありません。

だいぶひきで撮影された写真なので顔が見えにくいのですが、それでも宮脇愛子ではないのは明白です。磯崎新は3回結婚しているので、おそらく1回目か2回目の結婚の時のものなのでしょう。

もうすでに最後の妻である宮脇愛子もこの世にはいないので、この写真を公開することを承諾したのだろうか、、なんて下世話なことを勘ぐってしまいました。

実際に座れるブックラウンジ

建築と言えども家具のデザインとは切っても切れない関係です。

建築家がデザインした家具の名作も多数あります。

そんな丹下健三デザインの香川県庁の間仕切り棚などの名作を実際に触れて、座ってみることができるブックラウンジがあります。

棚に置いてある展覧会に関係する書籍類の閲覧も可能です。そして撮影も可能。


時間がかかります

たっぷり時間をとって行かないと全部を堪能することは不可能です。そここに設置されている映像だけでもゆうに1時間はあるでしょう。

この展覧会を観に行くときは、時間に余裕を持って出かけることをお勧めします。

また、いつもの森美術館の展覧会と違い、撮影可能なスポットとそうでないところがあります。入り口で案内されているので確認してから入場しましょう。

建築人気を反映してか、会期が始まったとたんから混んでいます。夏休みに入ればさらに混雑が予想されるので、見学するなら早めに。
5月末の「六本木アートナイト」開催中は深夜から早朝まで開館していますのでお薦めです。

「建築の日本展」 森美術館

2018.4.25(水)~ 9.17(月) 会期中無休 10:00~22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※「六本木アートナイト2018」開催に伴い、5月26日(土)は翌朝6:00まで開館延長(最終入館 5:30)


関連記事