広尾で贅沢な和朝食 栩翁S(くおうエス)

予約のみの朝食

広尾の隠れ家割烹「栩翁S」(くおうエス)で朝食が食べられるという話は聞いていたのですが、営業しているのが平日の9時からのみ、しかも予約が必要ということで、遠くの人はもちろんたとえ近くに住んでいても昼間の仕事をしているとハードルが高くなかなか行く機会がありませんでした。

ところが4月からは予約限定は変わりませんが、営業するのが日曜日のみになったというので早速電話で確認し、直近の日曜日に予約をしました。

予約を取ってから毎日楽しみにしていましたので当日は期待度マックスでの訪問となりました。


入りにくい店構えだけど

気持ちの良い日曜日の朝、人気の少ない日赤通り沿いの薬局と本屋さんの間のビルの1Fに黒い鉄扉があります。

押すのか引くのか悩むこの扉、実は左側へスライドする引き戸なんですね。

表札のかかったこの鉄扉にインターホンがあるので押してみました。

大柄な料理人然としたオーナーが出迎えてくれました。

店内は清潔な木で統一されたシンプルなインテリアです。いかにも和食が美味しそうな設えですね。

貸切で頂く和朝食

お店に到着すると2人分のお箸がセットがされていました。

え?貸切ってことのようですね。益々期待が高まります。
(実際は貸し切りではなく、単にお客さんが私たち2人だけだったということです)

器のセンス抜群

まず最初に出てきたのはお茶です。

この湯のみが通常より少し細長い変形湯のみで表面にデフォルメされたお花模様があしらわれ、なんとも可愛いではありませんか。

失礼ながら大柄な大将からは連想しづらいのですが、器類がすごく素敵なのです。どれもこれも。

相当こだわりがあるんだなぁとすぐにわかりました。

店内に飾ってあった一輪挿しに使っている陶器も実は一輪挿しではなく茶道具だそうですが素敵です。


魚が美味!

お茶の次に出てきたのはヒラマサのお刺身です。これがすごく美味しい。

お刺身は当然ながら山葵も紫蘇も何もかも全部美味しい。

さらにこの器も厚めの平皿ですがすごく素敵です。

そして、御膳

塗り物の盆の朝食膳が目の前に。ツヤツヤ光る白米はゆめぴりかだそうです。

なめこと豆腐の味噌汁。しらす、極細のきんぴら、上品に盛り付けられたお新香。そして鰤です。

繊細なしらすは白米にすごく合います。

極細のきんぴらごうぼうも甘すぎない味付けがすごく好みです。

お新香は歯応えが感じられる大きさに切られています。

そして、味噌汁。食事の後の雑談で知ったのですがなんと!前日にいいイノシシが手に入ったので、イノシシの出汁を入れたんですって!

なんか油が浮いているなとは思ったのですが、イノシシの出汁とはわかりませんでした。どうりでコクがあってまろやかだったんですね。

皮まで美味しい鰤

焼き魚は鰤です。

油が乗っていて皮はパリパリ、身はふんわりのいい焼き加減です。大根おろしの量も醤油の量もちょうどいい。

これはご飯が進みます。あっという間に完食してしまいました。

白米はなんと南部鉄器の羽釜で炊いてるそうです。

その羽釜も見せてくださったのですが、本当に木の蓋の乗った羽釜でした。思わず私も欲しくなってしまいネットで検索してしまうほど。

やっぱり炊飯器より釜で炊いたご飯って美味しいですよね。

白米が、魚が、和食が美味しいって幸せです。日本人に生まれてよかったと心の底から思った朝でした。

ちなみにお盆の形状、こちらは角型もう一方は丸型というように分けて出てくる細かい演出もありました。

店名の由来

栩翁S(くおうエス)なんとも難しい店名ですが、これは陶芸家石黒宗麿氏の晩年の雅号に由来するそうです。

なるほど、店名に陶芸家の名前をつけるほどの陶芸好きなんですね。だから何もかも素敵だったんだと納得。
確かに飯碗は作家に無理にお願いして焼いてもらったと言ってました。

陶器だけでなく、塗りの盆も素敵だったし、味噌汁の椀は年代物だそうですが、すごくシンプルでモダンなデザインでした。

飾られている「喫茶去(きっさこ)」という書の意味は「まぁお茶でも飲んで行きなさい」という意味だそうです。

前に置かれている茶碗は、抹茶用の信楽焼だそうです。
とっても高そうですが、ラーメンを入れてみたりするんだそうです。

高い陶器を使っているけど、肩肘張らずにゆっくり美味しいものをいただいちゃっていいって事でしょうか。

夜はコース料理が主体で常連さんばかりだそうです。いいなぁこの店の常連さんになりたいなぁ。



栩翁Sの場所

日赤通りの東京女学館の並びで、中央薬局と明徳堂の間です。
薩摩牛の蔵」と近いです。

“広尾の割烹” みたいに紹介されることもあるようですが住所は南青山になります。
いちおう最寄駅は広尾ですが、牛の蔵と同じで広尾駅から歩く人はいないでしょうね。

参考までに夜の様子も載せておきますね。

入口に掲げられた表札以外どこにもお店の名前がありません。ビルにもないしもちろん立て看板のような美意識をぶち壊すような野暮なものもありません。

朝食を日曜のみ営業に変更したのは2018年4月から。平日の朝食は近所の人にも遠方の人にもハードルが高かったのですが、日曜だけになったことで逆に行きやすくなったのではないでしょうか。
予約限定なので、ちゃんと電話で予約してから出かけましょう。出てくる朝食と羽釜で炊いたご飯をみれば予約が必要という意味が判ると思います。

こちらは夜のメニューです。
コースはそれなりのお値段がしますが単品でもいただけます。

栩翁S

港区 南青山7丁目14-6 南青山ビル 1F
定休日:日曜祝日
営業時間: 18:00−23:00、朝食は日曜のみで要予約


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