麻布十番の「富麗華」といえば中国飯店グループの旗艦店。有名人や自他ともに認めるグルメな方が多く利用するいわば日本の中華のトップ店。
麻布十番祭りの日に富麗華が出す屋台は毎回長蛇の列になる人気店ですが、人気もお値段も高いため麻布十番まつりの時の屋台でしか食べたことがないという人も多いでしょう。
ところが、その富麗華のすぐ近くに中国飯店グループのカジュアルラインの「紫玉蘭(しぎょくらん)」という路面店があることはあまり知られていません。
紫玉蘭の場所
富麗華は大きな通りに面しているのでまず間違うことはありませんし、そもそもクルマやタクシーで向かう人が殆どでしょう。
でも私たち普通の人でも気軽に行ける紫玉蘭にはバスや地下鉄で行くのがよいでしょう。
麻布十番から新一の橋の交差点をドミノ・ピザ側に渡り、飯倉片町(いいぐらかたまち)の方に向け麻布通りを歩きます。
新一の交差点からドミノピザではなく赤羽橋方面へ歩けば「富麗華」ですね。
さて、”目利きの銀次” の看板が目に入りますがこの辺のお店は入れ替わりが多いので、緑の瀬里奈のマンションを目印にする方がよいでしょう。
このクリーニング屋さんの角を右へ曲がります。
ここまで来ると麻布十番的雰囲気は薄れ、いかにも東麻布な生活感溢れる雰囲気になってきてます。
坂の向こうには「大越」の看板が見えますね。大越さんはここにお店を構えること半世紀の老舗洋食屋さんです。地元の人に親しまれている点では紫玉蘭に引けを取りませんが、客層は全く違います。
昔ながらの洋食を腹いっぱい食いてぇという時にはぜひこの大越さんを訪れてみてください。
”洋食をいただく” という表現ではなく ”腹いっぱい食う” という表現がぴったりなのです。
クリーニング屋さんの角を曲がればすぐ先にこのように紫玉蘭の看板が見えてきます。
十番から歩いてくると新一の交差点から1,2分ですが、けやき坂だったらちいばすの麻布東ルートに乗って東麻布3丁目バス停で降りれば徒歩10mです。
週替りランチが900円という値段は普通に街の中華さんと同じ価格帯ですよね。しかも店内の設えや接客などは中国飯店グループのクオリティで、かつ富麗華のすぐ近くでこれというのはかなりチャレンジブルです。
また東麻布でも2丁目くらいまでのお店やマンションは普通に ”麻布十番” だと名乗っていますが、紫玉蘭はちゃんと ”東麻布の” と名乗っているのも好感が持てます。
ランチのメニュー
ランチは11:30から14:00まで。
普通にランチコースもありますがほとんどのお客さんはランチメニューをオーダーしています。
ランチメニューはさらに通年メニューと週替りメニューに分かれていて、上の写真左側の「週替りランチ」として囲われている部分が週替りになります。
週替りメニューの内容はもちろん毎週変わるのですが、名物の赤/黒/白/黄/緑/麻婆豆腐定食は毎週どれかが入っています。経験上、赤→黒→白→黄→緑の順番で変わっていきますので、5色全部いただくには最低5回、1ヶ月以上通わないといけません。
紫玉蘭の店内
入り口は狭いのですが奥行きのある店内で、1階がバー、2階がホール、3階が個室になっています。
入ると奥にバーカウンターが見えます。
チャイニーズバルを標榜しているので中華には珍しいバーがあるんですね。
2階、3階には左手のエレベーターで上がります。階段もあるのでそちらを使っても大丈夫です。
10席弱のこじんまりしたカウンターです。
ランチはこの2階でいただくことになります。高級中華というよりカジュアルなチャイニーズレストランといった感じですね。
照明はシャンデリアで高級感があります。また壁には調理器具を配したレリーフが飾られています。
そしてBGMはジャズ。
実際に演奏することはできなさそうなので、おそらくですが1930年代の上海あたりのモダンなチャイニーズレストランをイメージしているのではないでしょうか。最先端の退廃的なジャズが奏でられている租界のレストランのような。
4人テーブルがいくつか並ぶホールと個室があります。
2階ほど開放感がなく、東麻布隠れ家っぽく仲間と食事するなら3階ですね。
それではランチセット
中国飯店グループらしい高級感ある店内を眺めているうちにランチが到着です。
これは週替りメニューの「酢豚定食」。
名物は「黒酢の酢豚定食」なのですがこの日は普通の酢豚でした。
でもこの酢豚、なにかおかしいですよね。
よくある酢豚とは肉と野菜の比率がまったく違うのです。
ご飯はお米たっぷりで見た目以上にボリュームがあります。
玉子豆腐を使った麻婆豆腐なのですが、むき海老が入っています。
また、麻婆の部分がなにか豆をすりつぶしたようなものが加えられていて変わった食感です。
なかなかジューシーな麻婆豆腐ですが辛さはしっかりあります。
具と肉汁がしっかり詰まっています。
プチっとした蒸し餃子でした。
お肉がぎっしり詰まったこれは高級感たっぷりです。
中国飯店グループのカジュアルラインとはいえ、これだけのランチ定食が950円というのは本当にありがたいですね。
紫玉蘭の店内
紫玉蘭、夜は来たことがないのでわかりませんが、ランチに限ればお客さんはほとんどが近隣の方ばかりのようで、これは平日も週末も変わりません。
十番からは道がちょっと分かりづらいですし、そもそも富麗華のグループ店ということも知られていないのでしょう。遠方から来ているんだなぁというお客さんはあまり見かけません。
これは2階から3階へと続く階段。踊り場にはなにやら中国骨董らしい置物が見えます。
こちらは1階と2階とをつなぐ階段。こちらも狭いながら高級そうな骨董が置かれています。
その階段に置かれたもう一つの置物。高級感を醸し出していますね。
料理の味も店内の雰囲気も高級感がありながら庶民的なお値段。近くの富麗華の系列なのにあまり知られていなくて地元の人たちが気軽にランチを楽しんでいる紫玉蘭。
富麗華の半分以下のお値段で高級店と変わらぬランチがいただけるので十番での週末ランチにおすすめです。
なお、最近日曜日が定休日になり、以前のように日曜日のランチができなくなってしまいました。
紫玉蘭
港区 東麻布 3-4-16
定休日:日曜日
営業時間:11:30 – 14:00、 17:30 – 23:00 。11:30 – 21:00 (日)