即今(そっこん) – 南青山で本格茶事や懐石を楽しめる

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今年2019年の春、南青山は高樹町通り(いわゆる骨董通り)に突如オープンした茶道と懐石のお店「即今(そっこん)」。

茶道に懐石ということで何となく敷居が高く感じていたのですが、ランチタイムに1,000円でいただける ”禅寺式精進うどん” というのが気になって気になって、今回とうとう訪問してみました。

▲お店が入るビル前に置かれたメニューボード。

日曜日以外のランチタイムはこれが出ています。
ランチメニューは禅寺うどんと即今ランチ。

この禅寺うどん、実は南青山での1,000円ランチとしてはかなりコスパが良いランチだったのです。



即今の店内

雑居ビルの地下なのでお店の入り口はまでは普通です。

▲この看板が目印。

「即今」という変わった店名は禅の ”即今即處” という言葉から取られたそうです。
”Just now, Just here” と英語で表した方が意味が分かりやすいですね。

わたしはラム・ダスの「ビー・ヒア・ナウ」を思い起こしてしまいました。

▲では階段を下りてみましょう。

階段の下には傘立てや灰皿が見えて、ここまでは普通の雑居ビルの地下という趣です。
▲しかし、入り口の引き戸を開け、靴を脱いで店内に入ると印象は一変します。

”小間の茶室の空間” というコンセプトに沿った室内が展開されているのです。

▲店内は広間と個室2部屋に分かれていますが、今回は広間である「爤酔亭(らんすいてい)」に案内されました。

▲この広間には立礼式(りゅうれいしき)のテーブルが3席。

正座しなくても良く足を伸ばせるので楽ですし、畳に慣れない外国人の方でも快適に使えます。

▲一番入り口側のテーブルから

奥の席に座るには身を屈めないといけません。そう、にじり口なのです。
本格的な茶室ほどではないですが、床の間とかにじり口とか随所に茶室の特徴が活かされています。

こういうテイストも外国のお客さんに日本を感じてもらう仕掛けなのでしょう。

▲ちょっと分かりづらいのですが、手前の畳はテーブル天板です。
木でもガラスでもなくなんとテーブルトップに畳が使われています。

また呼び出しボタンの向こうに見える真四角な部分は点前用の炉です。
夜の食事コースには点前を付けることもできるので、その時に使うのでしょう。

▲広間には3卓しかないので広々と、そして静かにランチがいただけます。

▲写真の右側が床の間、その向こうが入り口。
そして、衝立の左側がキッチンとの仕切りになります。

仕切りを開けると料理が出てくる仕掛けです。

また ”即今” と銘が入った桐箱が何なのか気になります。

▲床の間には香の用意も。
これもまた外国人が喜びそうです。

即今のメニュー

室内をほほぉ~と堪能しているだけでも楽しいのですが、メニューにも仕掛けがありました。

▲テーブルの上に置かれた桐箱。
何が入っているのだろう、お箸かな? と思って開けてみると・・・メニューでした!

これもまた凝った仕掛けです。

▲種類別に異なる色紙にメニューが書かれています。
おしゃれなアイディアですね。

▲コース料理・アラカルト・デザートのメニュー。

店舗前のボードにもメニューが書かれていましたが、実際にはもっとバラエティに富んだメニューです。

▲ランチメニューです。

今回は ”禅寺うどん” だけをいただきましたが、次回はうどんを追加したいですね。

▲お店の外、ビルの壁面にもこんな案内が
メディアでの紹介記事のコピーのようです。

▲ボードはランチ面とディナー面

これはディナーが書かれている側ですが、ここに書かれている以上に沢山のメニューと飲み物が用意されています。


禅寺精進うどん

室内を眺めたりメニューを読みながらあれこれ想像しているうちに ”禅寺精進うどん” が出てきました。

▲手前の鉢に入っているのがうどん。

真ん中にずらっと並んでいるのが薬味10種類です。
どの薬味もたっぷりな量ですがこれでも1人前です。

なお精進料理なので薬味に肉や魚など動物由来の食材は使われていません。

▲左端が刻み海苔。
手前の左側から、刻みタマネギ、長ネギ、ごま。
向こう側左側から、大根おろし、お揚げ、それと生姜、柚子胡椒、七味、紫蘇です。

▲店員さんに美味しいいただき方を説明してもらえるので、ここは素直に従うのが良いでしょう

とはいえ、基本的には小鉢に入れたうどんのつゆに薬味を好みで入れてという普通のうどんの食べ方でいいのですが、気持ちとしてはサラダうどんのような感じで薬味を入れてからうどんつゆを回しかけるのがよいそうです。

▲うどんそのものはツルッとしてもちもちな細いうどんです

量的にはそれほど多くはないので物足りなければ追加うどんを頼むのが良いでしょう。

でも、大量の薬味があるので、ネギと玉ねぎと大根おろしとお揚げとごまでかな〜りお腹がいっぱいになります。
まさに薬膳サラダとうどんなのです

ただのうどんに1,000円は高く感じますが、この大量の薬味があるおかげでお腹がいっぱいになって1,000円でも安く感じるのです。



即今の場所

場所は骨董通りのちょうど真ん中あたり。

ちょっと古い雑居オフィスビルの地下一階です。

▲青山通りから骨董通りの青学側を歩いて高樹町方面へ向かいます。

小原流会館の信号も過ぎてさらに歩くとこんな看板が見えてきます。

▲回り込むとこのようなボードが出ています。

この写真でもビルの奥に ”即今” の看板が見えますね。
そこの階段から地下に降りれば即今です。

たぶんですが、外国の方に茶道をメインに日本文化を紹介しよう。細部まで正確でなくてもエッセンスだけでも理解してもらおう。
日本文化そのものをどんと見せるのではなく咀嚼した上で再構成して提供する。
そんなコンセプトのお店なのではないでしょうか。

海外からの来客や外国人の知人、友人を連れていけば絶対喜ばれると思います。

また禅や茶道はそれほど詳しいわけでもない多くの日本人にとっても、こうしたお店は新鮮ですね。
きっと新しい気づきや発見があると思います。

表参道駅からもほど近い骨董通りのお店にも関わらず、週末でもゆったりしかも安くランチがいただけます。

夜のコースもありますし、様々なイベントも行っているようですが、まずは禅寺うどんでランチをいかがでしょうか。

即今 (そっこん)

港区 南青山 5-12-4
定休日:日曜日
営業時間:11:30 – 15:00、17:00 – 22:00

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